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 どちらも子どもを守る重要なワクチンであり、世界保健機関(WHO)が「国が定期接種すべきワクチン」と位置付け、世界中で多数接種されている。
 接種数が多いため、接種後に亡くなった例はあるが、ワクチンとは別の原因だったと分かったものも多い。残りは、乳幼児突然死症候群を含めて因果関係を明確に証明できていない。
 因果関係ははっきりしないが接種後に起きた健康上好ましくないことを「有害事象」と呼ぶ。米国などは有害事象を集約するシステムを整え、常に有効性と安全性を丁寧に検討し、基本的に安全なワクチンとして予防接種を進めている。今回、日本はまず、亡くなった子に何が起こったのかをきちんと見極めなければならない。そのうえで再開の是非や方法を議論し、結果を国民に分かりやすく説明すべきだ。
 【ヒブワクチン(サノフィパスツール社の商品名アクトヒブ)は2008年12月に、小児用肺炎球菌ワクチン(ファイザー社のプレベナー)は10年2月に日本で発売された。
 国内販売会社によると、アクトヒブは1992年にフランスで承認されたのを初めとして約20年の実績がある。複数のワクチンを一つにした「混合ワクチン」として使われている分を含めると、120カ国以上で年に1億回超接種されている。プレベナーも2000年以降、100カ国以上で使われている】
 【日本で1年間に誕生する子どもは百万人余り。アクトヒブは今年1月末までに155万人が308万回、プレベナーは110万人が215万回接種を受けたと、出荷数から推計されている。ワクチンを待ちわびる親は多く、アクトヒブは接種希望に供給が追いつかない時期があったことは記憶に新しい。厚労省は定期接種化の検討に乗り出し、昨年11月には経過措置として公費負担を決定。多くの自治体で無料接種が始まった】
 -二つのワクチンがそれぞれ安全だとしても、同時接種によって予想外の反応が起きる可能性はないのですか。
 宮崎 欧州も米国も同時接種、あるいは混合ワクチンが主流で、例えば米国は生後2カ月の乳児に、ロタウイルス▽3種混合(ジフテリア、破傷風、百日ぜき)▽ヒブ▽肺炎球菌▽ポリオ▽B型肝炎-のワクチンを同時接種している。
 同時接種しても、副反応(副作用)は「A+B」にはなっても「A×B」にはならないと考えられている